はじめまして。

「得する車コンサルタント」田嶋です。


私は、23年間余りこの自動車業界で仕事をしています。
特に、トヨタディーラーでの仕事がその期間のうち20年を占めています。新車部門を携ったり、中古車や整備部門と一通り業界のあらゆる所を見てきました。その中で、自分たちの中では「常識」となっていることが、実は一般の消費者には意外に知られていないことに気付いたのです。

トヨタディーラー時代の後半は本社の営業本部で仕事をしており、直接お客様と接する機会はほとんどありませんでした。この頃から、会社のお客様や社員に対する姿勢に疑問を持つようになり、理想の自動車販売店を自分の手で造ろう!と決意して独立開業したのが3年余り前。

あらためて、消費者であるお客様と直接ふれあうようになったのですが、ここでもお客様との会話の中で「エ〜?!そんなこと知らなかったんですかぁ?」とビックリするような話がザックザック出てくるじゃないですか。

私は思いましたね。


自分たちが「当たり前」と思っていることでも、お客様にしてみれば「初耳」のようなことって多いんじゃないだろうか?
それと最も重要な事実があります。
自分たちが知っていること・・・・・つまり「真実」を、出来れば知られたくない、と考える人が少なからずいる、という実態です。

これはとても残念なことではありますが、今でも様々な業界において商品の偽装表示など消費者を欺くような行為をするものが後を絶ちません。消費者が知らなければ良い、本当だと思い込んでくれればそれでいい、とばかりに商品の情報にウソを書き連ねます。もちろん、その理由は「正当に得られる利益に比べ、はるかに多い利益」が「いとも簡単に」得られるからに他なりません。

初めからドロドロした話でちょっと気分も重たくなられたかもしれません。
しかし、これは誇張でもなんでもなく、今なお様々な所でこうした偽装表示は横行しているかもしれないのです。そして、それは自動車業界ともけっして無縁ではありません。

ここにかかれてあることは、なにもそういった極悪の偽装表示問題ばかりを取り上げているわけではありません。

純粋に「知ってた方が得でしょ。」


という内容の方がむしろ多いと思います。

自動車は住宅の次に高い買い物です。一度買ったら、気に入らなかったからといって、すぐに買いなおせるようなモノではありませんよね。取引上も法律の規制が色々とあるわけですが、

なによりも、

お客様が「その事実」を知らなければ、


実際の売買の場面で違法行為や違法表示を見破ることは出来ないのです。

あなたは、同じ自動車でも「新車」であれば品質も含め、契約上に何の疑問を抱くこともないでしょうね。

でも「中古車」はどうでしょう?


すっごく「不安」なことが多いですよね。

  • どこで買ったらいいんだろう?怪しい店が多いような...

  • どの車が良くて、どういう車が悪いのか...外見だけしかわからないし

  • メーター巻き戻してたりするんじゃないの?

  • 事故車を騙して売ってたりしそう...

  • 買ってもすぐ壊れたらどうしよう...

  • この値段って適当なの?メチャクチャ安いけど大丈夫?その他もろもろ...あげれば沢山の「不安」だらけ。

それが「中古車」のイメージなんですね。

でも、ちょっと早いかもしれませんが、敢えて結論から言います。
あなたが、本当に賢い人生をおくりたいと考えるのであれば、お金をもっと有効に使いたい、住宅費とか子供の教育費とか老後の蓄えとか、そんなことを考えているのであれば、

絶対に「中古車」にすべきです。


ただ、先ほども書いたように「中古車」には様々な「不安」がつきまとう。絶対に中古車にしろと言われても、本当にそうなのか不安、どうすればいいのか判らない。そう思う方がほとんどでしょう。

ご安心ください。


あなたは間違いなく「車で得したい」と考えているから、これをご覧になられたわけです。こうして出会ったご縁です。
私「得する車コンサルタント」の田嶋が、自動車の購入に関して本当に「得する」事実を、あなただけにお教えします。

ただし、

次のような方は読むだけ無駄です。


時間の浪費です。読むのは止めてください。アナタのためです。

  • 金は腐るほどある。無駄遣いなんて余計だ!、という大(小)金持ちの方。

  • 賢かろうがどうだろうが俺の好きなように買うさ、という馬耳東風タイプの方。

  • 他人が1回でも乗った車なんて買えるか、という処女・童貞指向の方。

  • 「得する」買い方を値引き・値切りのノウハウと思っておられる方。

車で得する世界へようこそ!!

あなたが本当に自動車の真実について関心があり、真剣に得する買い方をお考えであることがよく判りました。ここから先の話は、すべて事実に基いています。

特に自動車の売買に関しては、自動車公正取引協議会(通称「公取協」)において明確に取り決めがされていることも多く、これを消費者が正しく認識していれば、悪質な取引に関わることもその多くは防げるのです。
これを読んで、あなたが「得するカーライフ」を手に入れ、賢く人生を楽しまれる一助となれば幸いです。


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ここでは以上の内容をあなたにお教えします・・・・と言いたいところですが、すべての内容は実に膨大な量になります。車のことや中古車業界の事実をまったく知らないアナタにいきなりすべてのことを理解してくれと言うのも酷な話です。

そこで、この「得する車選びのコツ」は

今後4回に渡りシリーズでお届けさせていただきます。


お初の今回は、1.中古車は最良の選択 2.こんな店はやめなさい の2つをお届けします。

クルマの真実・その1 

賢い人生に中古車は最良の選択


さて、車で得する世界に足を踏み入れたアナタが最初に知ってしまう事実。それは、「消費者が新車を手に入れられることは皆無に等しい」ということ。

はぁ? と思われたでしょうね。

しかし、これはウソでも何でもない事実なのです。もっと厳密に言えば、「新車には乗れない。」と言った方がいいかもしれません。はぁ? そう思われるのもごもっともです。たしかに「新車」はアチコチの新車販売ディーラーで売られています。また実際に毎月福岡県でも何千台という新車が売れています。なのに乗れない?

実は、「新車」と「中古車」という定義を「価値」という観点から見た場合のお話をしているのです。
例えば新車価格で200万円の車をアナタが購入すると仮定します。この車を買うアナタは、たしかに購入するときに「200万円」を支払わなければなりません。ですから、まぎれもなくアナタは「200万円」の価値のある車を「200万円支払って」買ったわけです。

契約を済ませ、車の登録に必要な書類をアナタは揃えたりします。新車ディーラーの営業マンはアナタから書類を受け取ると、書類を行政書士に依頼して陸運局でアナタの名義に登録するための手続きを行います。
さぁ、いよいよ納車の日が来ました。アナタは「200万円」支払った車をディーラーから引渡しを受けます。受け取ったばかりのピッカピカの車。どこからどう見ても「200万円の新車」ですね。アナタの気分は最高のはず。

が、しかし・・・・・

ここに恐るべき事実が隠されているのです。


ちょっとここであなたに質問をしましょう。

さて、アナタが引渡しを受けたばかりの「200万円の新車」。このアナタの車を引渡しを受けた「その日」には一体いくらの価値があるのでしょうか?ハァ、そんなの200万円に決まってるじゃない、そう思われた方はいませんか?正解は「絶対に200万円の価値にはならない。」ということなんです。

ウソだと思うんだったら、アナタが買ったばかりのその車を同じディーラーでもいいし、他の買取業者でもいいですから持って行って「いくらで買ってくれる?」そう聞いてみてください。アナタの目が点になること間違いなしです。

んじゃ、一体いくらになるの?


購入価格が200万円だったら、いいとこ「150万〜160万」ってところでしょう。新型の人気車なら別ですが、ヘタすると120万くらいにしかならない場合もありえます。

えーーーーーっ!? 

200万で買ったばかりなのに、

売ったら150万?


ほとんどの方がそう思われたかもしれません。でもこれは事実なのです。実際には車検の価値などをプラスしますが、それでもせいぜいプラス10万円にもなりません。まぁこれはなにも車の世界だけに限らず、モノの売り買いでは「買った金額よりも売るときの金額が安くなる」のが一般的です。特に車のように「法律で所有権の登録が定められている」ようなものは、一旦その所有権が確定してしまうと価値が下がってしまいます。住宅などの不動産もそうですね。

つまり、200万円を支払って買ったアナタの新車は、正確に言うと「アナタの名義に登録した」時点で「200万円の価値はなくなる」のです。しかも金額が大きいだけに、落差も大きい。

実は、クルマが「新車」と呼べるのはショールームに展示されて、アナタの名義に登録する「直前まで」でしかないのです。そう、アナタの名義に登録したその瞬間、「200万円だった新車」は「200万円の価値はありえない中古車」に変身してしまうのです!
どうです?

驚愕の事実を目前にしたアナタに、追い討ちをかけるようで申し訳ないのですが、

1冊の著書をご紹介したいと思います。


心理学者であり、世界的にも著名なリチャード・カールソンという人が書いた「お金のことでくよくよするな」の1節で「新車も買った瞬間、中古車になる」の部分なのですけど、その節を抜粋してご紹介します。

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『新品も買った瞬間、中古になる』 リチャード・カールソン著 「お金のことでくよくよするな!」より抜粋

新しい物を買うというのは特別な感触がある。新しい車、新しい服、新しい芝刈り機、その他何でも新品は心をウキウキさせてくれる。しかし不幸なことに、新品は中古よりも値段が高い。その差額は俗に「機会費用」と呼ばれる。他に使うこともできたのだが、差額を払ってでも新品がほしいがために使った金額のことだ。

あらゆる品物は、購入した翌日には「中古品」となって価値も下がる。自動車業界では、新車は販売店の駐車場から運転して出たとたんに新車ではなくなる、とされている。何かを新品で買い、じつはいらなかったという理由で売ろうとしたことはあるだろうか。ラッキーなら半額で売れるかもしれない。私は以前、1000ドル近い運動器具を購入した。一度しか使わなかったのに、売るのに数週間もかかったうえ、たった300ドルにしかならなかった。中古でもいいと思えば車であれ何であれ、希望とほぼ一致する物が、30〜50%引きで手に入る。いつもこの手段がいいともかぎらないし、満足感はちがうだろうが、いくつかの要素を考えてみよう。

たとえば、二万ドルで新車を買うとしよう。販売店の駐車場から出た瞬間、おそらく価値が10〜15%も下がり、その後自分が所有しているかぎり毎月下がりつづけるわけだ。加えて多額のローンが毎月あり、たいていは五年ぐらいかけて払わなければならない。毎月価値がどんどん減っていく物のために、六十か月もの支払いをするわけだ。さらに、損害やひっかき傷の心配、洗車やワックスがけ、盗難の心配などもある。また、保険、登録などと心配のタネは尽きない。新車はお金がかかるものだし、おそらく不必要な場合が多いにちがいない。

中古だと、盗難や損害の心配も新車ほどではなく、手付金、月々のローン、消費税、保険、登録料なども新車よりはるかに安い。ある程度がまんできるのなら、節約できるぶんを値上がりしそうな資産に投資すればいいのだ。

この方法だと、まったく努力せずに、毎月何百ドルもの節約が保証されている。大人になってからずっと、この決断を繰り返せば、老後に備えて貯金もできる。自分で計算して具体的な数字を見るなり、自分でできない場合には、できる人に頼んでみるのをおすすめする。「機会費用」の高さには、大いにショックを受けるはずだ。

老後の蓄えがほとんどない人にずいぶん会ったが、彼らの多数が意外にもかなり高級な、しかも新車に乗っているのを見てふしぎに思った。もし新車を乗り回したり、新品の物ばかりを買わず、お金をもっと賢く投資していたらどうだっただろうか、と。

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 いかがですか? 新車を購入することがすべての場合に「悪」だとは言わないけれど、しかし実に無駄の多い買い物だと思いませんか?アナタにとって「機会費用」とは、出すことが本当に必要お金なのかどうか?冒頭にも書きましたように、金は捨てるほどあるという一部の方々は除いて、私達一般の消費者は、如何にお金を賢く使うかということが人生を大きく左右することにもつながりかねません。

あなたの賢い人生のために、

私は迷わず中古車をお奨めします。


たしかに新車には「新しい、他人が使っていない」という機会費用的メリットの他にも、「最新の安全性や機能が取り入れられている」というメリットもあります。

ではどうでしょう? 

「最新の安全性や機能」があるクルマを「新車よりはるかに安く」買えるのであれば、その方がよくないですか? 中古車と一口に言っても、年式の古い車から新車同然の車まで様々なのです。自分の嗜好や用途、そして予算に合わせていろいろな選択肢があることも、中古車の魅力の一つとも言えるのです。
 

もう一度言います。

なたの賢い人生のために、

車を買うなら中古車を選んでください。


クルマの真実・その2 

車で得したいなら、こんな店はやめなさい


さて、中古車を選ぶ際に気をつけなければいけないことはなんでしょうか?
色々と注意したい点はありますが、やはり最も大切なことは『店選び』です。車は、大小様々な部品から構成された非常に精密な工業製品です。その部品の点数は実に数万点。小型車でも3万点程度、高級車になると5万点と言われます。新車の場合は一定の品質に製造されていますので、どこの店で買おうと構いませんし、それこそインターネットで購入しても問題のない商品です。

一方、中古車は『一物一価』です。古い新しいという違いだけでなく、現に今まで使用されてきた(実際には使用されていない車もありますが)という事実があるわけですから、走行距離は勿論のこと、使われ方や乗り方、手入れの具合によって1台1台まったく異なる状態なわけです。

中古車とはこのような性質を持ちますので、安易に買うのは絶対に良くありません。品質が良いのか悪いのか、特に大切なことは「値段に見合った品質であるかどうか」を見極めなければならないということです。

しかし、現実問題として一般の消費者の方に、

車の品質を見極めろと言ってもそれは困難です。

たんに外見や室内がキレイかどうか、装備がどうかといったことであれば主観的に判断できると思います。でも、機械としての車の品質は、ただそれだけで総合的に判断出来るモノではないのです。ここが厄介なところです。


では一体どうすればいいのでしょう?

この章のタイトルを

「こんな店はやめなさい」としたのがポイントです。

仮にタイトルを「こんな車はやめなさい」とすれば、プロとして車の見方を様々な視点で書きつづることは可能です。書いた内容に沿って実際に車を見るところまではアナタも出来るでしょう。しかし、車の品質に関わる「判断基準」というのは、ソムリエがワインの本質の部分を見抜くのと同じように、数多くの経験から得られた知識があって初めて的確に出来るわけで、

一般のお客様には、

とても困難なことなのです。

中古車情報誌などにも「中古車の見分け方」というような記事があったりします。参考程度に知る分には良いことだと思いますが、あれを読んで一般の消費者が中古車を判断、つまり「価格に見合う品質かどうか」を見極めれるとは思えません。

それと前のページにも書いた「車は精密な工業製品」です。さらに買ったあとは床の間に飾るわけでもなく、いろいろな環境の中でいろいろな使われ方をします。雪の降り積もる季節にも、夏の猛暑にも耐えて何年も使われ続けるのです。アナタが日常的に使用しているものの中で、車ほど過酷な使われ方をしている製品はないはずです。その割にアナタは、小まめに車のメンテナンスに気を配っている
でしょうか?

おそらく答えは「ノー」だと思います。

日本人の国民性なのでしょうか。車を必要とする割には車のメカニズムには大半の方が無頓着で、ボンネット一つ自分で開けたことがないという方はざらです。その国民性に応えるというわけだけでもないでしょうけど、今や日本車は世界で最も優れた品質を備えています。 とは言いましても、そういう車と言う製品は、実に過酷な使われ方をしますので、絶対にトラブルがないという保証はありません。むしろ起こっても不思議はないのです。特に中古車でも年式の新しい車の場合は、さほど神経質になる必要はありませんが、予算の都合でどうしても低年式の中古車を選ぶ場合には、当然ながら多少のリスクは認識しておく必要があります。

つまり、車は買ってしまえばそれで終わりという性質の製品ではなく、常にメンテナンスに気を配り、車のコンディションを良好な状態に保つ必要があるわけですから、購入する場合は それをサポートしてくれる「店」であることが大切なのです。

お店の側も売ったら終わりではなくて、

お客様の安心・快適なカーライフのお手伝いをキチンと出来ることが求められますし、そういう意味からも他の日用品とは違い「お客様と店」との長いお付き合いが必要となるわけです。


さて、それでは中古車を買うときの店の選び方ですが、やはり商品が中古車だけに、その品質をキチンと把握しているのは当然としても、正直に説明してくれることがお客様にとっては大事なことですので、こういった視点からポイントをあげてみたいと思います。

〔良い中古車店を選ぶ、特選4つのポイント〕

  1. プライスボードの項目が全てキチンと記入されている。

  2. 店員の身だしなみ、言動がキチンとしている。

  3. 仕入れた際の品質評価証を提示し、キチンと説明してくれる。

  4. 1年以上の保証制度がある。

まぁ、店を選ぶポイント、つまり良い店か悪い店かという部分は、あげればまたキリがないし、その一つ一つについてつぶさに観察することも面倒でしょう。
そこで、最低ココをチェックすれば、概ねどんな店か判るというポイントを4つに絞ってみました。


1.プライスボードの項目が全てキチンと記入されているか?

中古車には必ず「プライスボード」が掲げてあります。これは中古車の価格は勿論ですが、中古車の品質を判断する基準となる項目について、自動車公正取引協議会の「中古車規約」の中で明確に定められているのです。また、過去項目についても記載基準が明確にされており、店独自の勝手な書き方は許されていないのです。

つまり、それら項目をキチンと全て規約通りに記入することで、消費者が判断する目安にすることが出来るわけですから、これが正確に記入されていないということは、まず「フェア」ではありませんし、「一体どんな車なのか判らないのに売っている」ということになります。もし、内容は判っているのに書かないというのであれば、「消費者に対して事実を正確に伝えようとしない店」だということが言えるのです。プライスボードに「コミコミ価格」などと表現しているのも規約違反です。プライスボードの価格は、あくまでも「消費税込みの車両本体価格」と定められています。

これだけでもお判りですね。
プライスボードを明確に記入していないような店で、中古車は買うべきでないのです。そもそもプライスボードがない、なんて店は論外です。

2.店員の身だしなみがキチンとしているか?

これは商いに関わる人間であれば、新卒の新入社員でも判っている当たり前のことですね。お客様と接するわけですから、お客様が不快感を感じるような髪型や服装をするというのでは、そもそも「お客様に喜んでいただける」ような仕事ができるわけはありません。また店員がそのような身なりをしているというのでは、経営者も推して知るべしです。

「言葉遣いや態度」も同じことです。簡単なテストは店に電話をかけてみることです。電話応対というのは、声だけでこちらの印象を相手に伝えてしまうことになりますから、常日頃から意識していないと案外できないものです。

まぁなにも、これらのことは中古車店に限ったことでなく、世の中のビジネス全てに共通することですが、特に中古車は買ったあとの「お客様と店との関わり」が非常に重要となるだけに、このような「ビジネスの常識」を踏まえていない店は避けた方が懸命でしょう。

3.仕入れた際の品質評価証を提示し、キチンと説明してくれるか?

前述の「プライスボード」の正確な表示については、自動車公正取引協議会の中古車規約で定められているということは、ご理解いただけたと思います。 しかし、もし、このプライスボードへの記入が「ウソ」だったとしたら、消費者はどうすることも出来ませんね。最近いろいろな業界で発覚している、いわゆる「偽装表示」です。修復歴車(事故車)なのに「修復歴無し」と表示されていたりするものですが、なかには事故車であるのに損傷が軽微であるために「修復はしていない」という理由で「修復歴無し」と記載するような悪徳業者がいるので要注意です。

そこで品質確認の次のステップですが、ちょっとその前に、現在の中古車業界の商品仕入に関するお話をすることにしましょう。
 
中古車店が商品とする「自動車」を仕入れる手段には、次の4つがあります。

a. オートオークションでの購入(オークション仕入)

b.一般消費者からの買取(買取仕入)

c.中古車業者からの購入(業販仕入)

d.顧客の下取車(下取仕入)


これは意外に知られていない事実なのですが、現在の中古車店は仕入の90%以上を「オークション仕入」に依存しています。昔はメーカー系ディーラーだと、自社の中古車展示場に並ぶ車の大半は「下取仕入車」であり、いわゆる「下取車の換金ルート」として機能していたわけですが、「買取専門店」が乱立する現在の市場の中では、ディーラーも下取比率が極端に低くなり、下取車だけでは中古車部門の存続が不可能な状況にあります。そのために、メーカー系ディーラーであっても中古車仕入の大半は「オークション」で仕入れているのが実情です。

「オートオークション」とは、「車の市場」のことです。そう魚市場とか青果市場とか、あの市場と同じ仕組みです。市場ですから、セリが行われます。現在のオートオークションは画像方式を導入し、「ポス」と言う装置を使って行われますので、非常に短時間(1台のセリに10秒程度)でセリ落とされていきます。このオートオークション会場は全国に数十箇所あり、毎日どこかの会場でセリが行われています。現在では1週間に10万台以上の車が、このオートオークションで流通しているのです。

さて、ここで中古車の品質確認の方法ですが、必ず店員さんに「この車の品質を証明できるものを見せてください。」と言って下さい。
オートオークションで仕入れた車であれば、必ずオークション会場が「出品票」という1枚の紙を車に付けています。この「出品票」には、オークションに出品されたときの「走行距離」や、事故車かどうかの判断が出来る「評価点」というものが記載されているのです。

「評価点」とは、読んで字のごとく「車の状態を評価する点数」のことで、各オークション会場によって多少表現の仕方は異なりますが、7〜10段階程度の点数で表示しています。ここでは詳細についての説明は省きますが、5点だと極上車、4点だと比較的程度の良いもの、3.5点では並程度、3点だとかなりの傷凹みがある車、2点以下は商品としては難しい粗悪車や改造車というような感じです。

ちなみに5点より上の点数は、いわゆる「新古車」(新古車という呼称は正式にはありませんが、新車のようなという便宜的な呼び方として使用しています)のような車で、6点とか7点あるいはS点という標記をする場合もあります。
一方、修復歴車いわゆる事故車は、0点(れいてん)です。A点とかR点と標記する会場もあります。

話は戻りますが、オークションで仕入れた車には、この「評価点」を記載した「出品票」が必ず付けられていますので、中古車の品質を確認する手段としては、まずこの「出品票」を見せてもらうことです。見せてくれない店は、それがたとえどんな理由であれ、「見られると困る」事実が隠されていると思って間違いありません。

ではオークション仕入以外の場合はどうでしょうか?

業販仕入の場合で、仕入先がメーカー系ディーラーである場合は、「カーチェックシート」を作製していますので、その写しを見せてもらえるかもしれません。買取仕入、下取仕入については、現在の査定方式が、昔のような日本自動車査定協会の査定基準に基いたカーチェックシートを用いる方式ではなくなってきているため、客観的に確認できる書類があるかどうかは期待できません。

中古車店の商品の大半はオークション仕入ですから、これについては「出品票」の提示を求めれば良いわけですか、それ以外の仕入の車である場合には、その販売店独自の「査定書」なり品質を証明するものがあれば、ひとまず見せてもらいましょう。もしそういう書面が何もない場合は、そのような店での購入は見合わせるか、購入するにしても、万一事故車であった場合やメーター改竄車であった場合の「返品返金制度」があるかどうかが一つの決め手になります。

中古車の品質を確認するというのは結構困難です。明確な書面をキチンと提示してくれる良心的な販売店を選ぶのが最良の選択です。

なお、先述の「評価点」ですが、知っておくべきことがもう一つあります。それは「評価点とは車の総合的なコンディションを示すものではない。」という事実です。

現在の評価点制度は「事故車とそうでないもの」との区分けをするのが最重要課題となっています。したがって「修復歴に該当するようなダメージを車が受けているかどうか」を徹底して検査しています。ですから「事故車かどうか」という点については、この「評価点」を見れば明確になります。

しかし、車本来のコンディションと言うのは、何も事故車かどうかだけで決定付けられるものではありません。今までのユーザーのメンテナンスの程度であるとか乗り方であるとか、そういうものが大きく影響を来たすエンジンやミッションといった機関系、足回りという車本来の機能をつかさどる部分のコンディションは、残念ながら現在の評価点制度では表現しようがないのです。

ですから、評価点だけを頼りに車のコンディションの総合判断は出来ません。
なかには消費者に対して「評価点が良いから優良車ですよ。」などと偽って販売している店もあるようですが、まったくの事実無根です。

4.1年以上の保証制度があるか?

私がお客様に対してアンケートをとった結果ですが、中古車を購入したあとで、どの程度の期間までの故障については、販売店に保証をしてもらいたいか?という問いに対して、70%以上のお客様が「1年」と答えておられます。

車は非常に精密な工業製品ですから、故障は起こりえます。新車だって故障することもあります。絶対に無いと言えるのは詐欺師ぐらいのものです。 せっかく大金をはたいて購入した車ですから、買って1年以上経過して発生した故障なら「まぁ仕方がないか」と思われるようですが、1年未満で起きた故障を自腹で修理する羽目になると、「ありぁ、車が良くなかったかなぁ。失敗したかなぁ」と後悔の気持ちが強いようです。

このことからも、中古車店はプロとして「売る車の品質に対して一定期間は責任を持つ」ことがとても大切なことですし、その「一定期間」とは大多数のお客様が満足・納得できる期間であることが必要です。もちろん年式によっても品質保証が出来る期間や範囲は限られてくるのは仕方ありませんが、せめて中年式(新車から5〜6年落ち程度)の車であれば、最低1年間の保証は付けるべきです。

また「保証部位」についても、主要機能部位であるエンジンやミッションは当然のこととして、それ以外の部分においても消耗品や車としての機能に支障が出ないものでない限り、保証の対象となっていることが望ましいと言えます。

例えば「エアコン」ですが、今どきの車でエアコンが付いていない車といえば、ほとんどありませんね。つまり「車はエアコンがあって初めて車としての機能をキチンと果す」わけです。しかし実際には、この「エアコンを保証対象にしている」店は非常に少ないのが現実です。またエアコンを保証対象にしている店でも「6ヶ月未満」程度の非常に短い期間しか保証されていません。

仮に車を買ったのが10月だったとします。もうほとんどエアコンの必要はない季節です。ここから6ヶ月の保証と言われても、現実には必要のない期間のみを保証されていても「まったく保証の意味がない」わけでして、何のために保証をつけているのか、その意図がよく判りません。エアコンに対しては、やはり最低1年間の保証は必要なのです。

この「保証」の内容を見れば「お客様に対する店の姿勢」が如実に判ります。
実は、これも私が以前勤めていたトヨタ系ディーラーの中古車営業マンのベテランスタッフのみなさんにヒヤリングした結果判ったことなのですが、「中古車の営業マンをやっていて一番嫌なこと」は「お客様からの故障や不具合に関するクレーム」なのです。
 
トヨタ系ディーラーの保証内容は、中古車業界の中ではかなり優位な保証内容となっています。ですから、万一のトラブルに対しても本来ならば「気持ち良く対処処できる」はずなのですが、それでも多くの営業マンがクレームを嫌がります。

はて、どうしてでしょうか?

理由は二つ。一つは「絶対に故障なんかしませんよ。」と詐欺師まがいの言い方をして売っているから。故障したことで騙したみたいな言い方をされるのが嫌。もう一つは、「お客のことなんか二の次。成績さえ上がればいい」と考えているからです。クレームは非生産的な時間や労力を割かれることになります。(本質的にはそうではないのですが、そうとしか考えられていない。)だからクレームは嫌な
のです。

つまりは、「お客様のことを本当に考えている」のであれば、口で誤魔化して売ることもなければ、クレームにも喜んで対処できるはずなのですが、そうではないという実態があるということは、保証制度が充実したメーカー系ディーラーでさえそのような有様なのですから、保証内容が十分でないとか、保証期間が短いとかいう店ならばなおのこと、と考えても不思議ではありませんね。

売る側の心意気が確かならば、気持ち以上に確かな証拠として「充実した保証制度」を設けるべきなのです。

 以上、「こんな店はやめなさい。」ということで申し上げましたが、何度も申し上げている通り、車は買えばそれで終わりという性質の商品ではありません。中古車は一物一価ではありますけど、似たような商品は必ず存在します。商品にひとめぼれして衝動買いする前に、しっかりと店を見定めて、「自分と合わない」と感じたら潔くあきらめるのが、結果的には「得する車選び」となることは間違いありません。
 
次回にて詳細にお話いたしますが、ややもすると「値段」や「年式」、「走行距離」のような表面的な部分だけで品定めをする人がいますが、はたしてどこまで真実を理解して選んでいるのかは疑問です。値段勝負で選べば、結果的に損する事を知らない人が実に多いのです。

いかがでしたでしょうか?


 今回は、「新車を選ぶことで如何に無駄な費用が必要になるのか」ということと、「中古車選びは店選び」という2つのポイントについてお話してきました。
今までご自分では考えもしなかったようなことが書かれていたこともあるでしょうし、なるほどフンフンとうなづける様な部分もあったかと思います。

中古車の世界に関しては「正しい知識」をもたない消費者の方が非常に多いのが現実です。しかし、このトラの巻を読まれてもお判りのように、「中古車」という一種独特な、あるいはグレーな感じのする世界に囚われることなく、「世間一般的な、ごくごく当たり前の常識」に照らして考えると「当然そうあるべきはずのこと」というものが実に多いことにも気付かれると思います。

たしかに「車に関する専門知識」に熟知されている方は少ないでしょう。でも、肝心なことは中古車であれ一つの「ビジネス(商い)」です。

善良な人は善良な商いをしますし、

そうでない人間はその程度の商いしかやらない。


この「当たり前の観点」から業界や店を眺めていただければ、きっと「真実」の姿が見えるはずですし、その「真実」こそ何よりの「得する車選び」なのです。




出会いに感謝。

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